五徳循環する亀山温泉ホテル
礼から始まる経営──亀山温泉ホテルの五徳循環
経営をしていると、
「人が育たない」「組織が噛み合わない」「想いが伝わらない」
そんな壁に、何度もぶつかります。
数字や戦略の前に、
もっと根本的な“ズレ”があるのではないか。
そう考えるようになりました。
私が辿り着いた答えは、
すべては「礼」から始まる、ということです。
礼とは、形ではなく「想いを分かち合うこと」
礼というと、
挨拶やマナー、所作を思い浮かべるかもしれません。
しかし本質はそこではありません。
■何のためにやるのか
■どこを目指しているのか
■互いに何を大切にしているのか
想いを言葉にし、分かち合うこと。
これこそが、経営における礼だと私は考えています。
礼が生む「信」、信が呼ぶ「機会」
想いが共有されると、
人は安心し、信頼が生まれます。
信頼は、お願いしなくても
自然とチャンスを連れてきます。
紹介、協力、応援、挑戦の機会。
それらは偶然ではなく、
信が積み上がった結果です。
義──役割とミッションを引き受ける覚悟
チャンスを受け取るということは、
同時に責任を引き受けるということ。
誰のためにやるのか
何を優先し、何を断るのか
筋を通す覚悟。
これが「義」です。
智──経験は、理念へと昇華される
役割を果たし、責任を背負う中で、
人は学びます。
なぜうまくいったのか
なぜ失敗したのか
経験が整理され、
やがて人生や経営の理念へと昇華されていく。
これが「智」です。
仁──自他を慈しみ、守る経営へ
理念を持った先にあるのは、
支配でも、正しさの押し付けでもありません。
人を壊さない
未来を削らない
弱さも含めて守る
強さとしての優しさ。
それが「仁」です。
そして、再び「礼」へ──螺旋は上へ伸びていく
仁にたどり着いたとき、
人はもう一度、礼に立ち返ります。
ただし最初とは違う。
今度の礼は、
表面的な共有ではなく、
価値観そのものを分かち合う礼。
こうして
礼 → 信 → 義 → 智 → 仁 → 礼
という循環は、
同じ場所を回るのではなく、
器を広げながら上昇していく螺旋になります。
経営者は、先頭ではなく「中心」に立つ
リーダーは、
誰かを見下ろす存在でも、
一人で突き進む存在でもありません。
想いの中心に立ち、
みんなの代表として決断する存在。
だから私は、
仲間の前に立つとき、
「自分が一番偉い」とは考えません。
「みんなの想いを預かっている」
そう思って立っています。
亀山温泉ホテルは、
この五徳の循環を、
経営・サービス・組織づくりの土台にしています。
古くて、不器用で、遠回りかもしれない。
それでも、
人が人として誇りを持って働ける場所をつくりたい。
礼から始まる経営は、
今日も静かに、確かに回り続けています。




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