千葉房総の亀山温泉ホテル 公式HP | 源泉掛け流しの湖畔の湯宿

若旦那の夢【参代目の挑戦】

想いの源泉となるもの-GENTEN2-

こちらの記事はつづきになります。
前回の記事 GENTEN はこちらをご覧ください

2002年から5年間旅館修行を積み
2007年から1年間海外オーストラリアワーキングホリデーを経て
2008年いよいよ家業である亀山温泉ホテルを継ぐべく、実家へと戻ってきました。

奇しくもそれは、高校卒業で東京1人暮らしのために実家を離れてからちょうど10年の月日が流れていました。

あの時母にあてた手紙
「でっかい男になって帰ってくる」
その言葉に完全なる自信こそなかったものの、最愛のパートナーを向かい入れ、気合は十分だった。


亀山温泉ホテルの名前を全国に轟かせる
元気のない千葉県を盛り上げてやる!!

何も知らない29歳の男はそう高い鼻を伸ばしていた。


すぐに自信は、想いは、空中に空しく散っていくことになった・・・。

実家に戻ってすぐのことだった。
お客様のチェックインをして、お部屋にご案内をした瞬間お客様がお怒りになった。
「こんな部屋には泊まっていられない」すぐに帰ると。

まったく事情を呑み込めず、お怒りになるお客様にただ呆然としながら
申し訳ありませんと謝罪をしながら、交通費にしてくださいとお金をお渡しした。

今思えば本当にお粗末な対応で恥ずかしさいっぱいですが
当時は本当に困惑をして頭が真っ白になった。

父と母にも当然大目玉をくらった。

修行をしていた伊香保温泉福一でそんな経験など何一つしていなかったからだった。
今まで味わったことのない悔しさが僕へ次から次へと襲っていった。

やることはたくさんあった、亀山温泉ホテルにたくさんの変化をつけていった。
そしてそれは少しずつだが売り上げという形で跳ね返ってきた。

お客様からも「若旦那帰ってきてから少しずつ良くなっているね」とお声をかけてもらえることも多くなった。僕の目から見て伸びシロがたくさんあったのだ。


しかし、しかしその言葉に安堵を感じる余裕すらないほどいろいろな状況が自分を襲った。というよりそれはすべて自分が招いたことだった。

修行先の福一でご贔屓にしてくださっていたお客様が亀山温泉ホテルに遊びに来て下さった。
そしてその期待を大きく裏切ってしまった。若女将もよくかわいがってくれたお客様は
「こんな旅館じゃ若女将も嫁いできて可哀そうよ、あんたしっかりしなさい!!もう私たちはここに泊まりに来ることはないからね!」

大切なお客様を失ってしまった瞬間だった。

当時から予約サイトには口コミが主流となっていた。その口コミにおいて亀山温泉ホテルの評価は千葉県下でかなり下の方に位置をしていた。見たくない口コミばかりが並び、県下平均4.0と言われている口コミ評価が一時期2.9という低さまで落ちたこともあった。

すべて自分が自分がと行動していたことで、独りよがりになり、だれにも相談できずに、もがき苦しみ、同じことを繰り返していった。報連相をすることなく、自分の思い通りに動き息詰まる。
誰かのせいにすることはなく、全て自分の責任だと思いながらも、環境が悪い、施設が悪い、両親が悪い、スタッフが悪い。。。そうやって思い込もうとする黒い自分にもうすうす感じていた。

全てが独りよがりだった。
このころ一番響いた言葉は
「若旦那はひとりで空回っている」だった・・・。

それは紛れもない真実でしかなかった。



施設の老朽化がひどい
手入れがなっていない
掃除が出来ていない
接客がなっていない
料理が冷めている

挙げればきりがない程の現実

私はまさか自分が一生働いていく旅館がこんな評価であるという事実に
目を覆い、耳をふさぎ、もういいやって思った事が沢山ある

もっとすっごいいい旅館に戻ってきたかった

そんな最低な思いを抱く事もある。


自分が意気込んで亀山温泉ホテルを立派にすると言っていた現実は
自分が想像している以上に、ギャップがあった。


全旅連という組織に所属し、出向という形でたくさんの仲間の旅館に泊まることになった。
成功されている旅館、全国的に名の通った旅館、そして評価の高い旅館

泊まれば泊まるほど、そして先輩の話を聞けば聞くほど
僕は悔しくなって、自旅館を恥ずかしく感じていった。。。

この思いは今も続き、なおも消えることがないように思える。

要はだれかと比べる事での評価に自分自身が囚われすぎているのだと思う。


極めつけは 天下の掲示板 2chへの誹謗中傷だった。
実名を出され、温泉のことや施設のこと、そして自分自身のことが叩かれに叩かれていた。

心の弱い僕は、見なければいいのに、毎日その掲示板を見てしまった・・・。



やりたいことと出来る事は違う。
それを嫌というほど味わった。

沢山出てくるアイディアのほとんどが、通用せず、実行できずに終わっていく。

福一とのギャップ、やりたいことがやれない事実、立場も力も決定権もない自分の不甲斐なさ

亀山温泉ホテルの欠点ばかり目がいき、福一と比べ、これでは駄目だと嘆く!

違って当たり前なのに

これを変えないと それにはお金がかかる そのおかねはどうする 借りる 借りられない
じゃあどうする 

こんな繰り返し

やりたいこととやれることは違う
それを嫌という程味わった。

(その悔しさがばねになっていったのは後々に分かってくることであるが)


それでも僕がつぶれない理由、そしてなお未来を見据える理由
情熱という言葉を自分に課している理由

亀山温泉ホテルが大好きで応援してくれるたくさんの常連様の存在
「若旦那期待しているよ」「またよくなっているね」「もっと頑張ってね」その温かいエール。
時には厳しい叱咤激励でおしりをたたいてくださるお客様もいらっしゃいます。

地域環境と温泉の素晴らしさ
亀山温泉ホテルが位置する目の前が湖という立地環境と、多くのお客様に愛される自慢の天然温泉


このふたつの強みこそ、亀山温泉ホテルが何より繁盛していける最大の理由であり、お金で解決が出来ない、先祖に感謝すべきギフト、そして守り続けなければいけないギフトなんです。

「こんなにいいところなのにもったいないよ」
お客様のこんな言葉に集約されている、亀山温泉ホテルの可能性を僕も信じているからだ。

何より地元が大好きで、その大好きな地元のみんなが「亀山温泉ホテルは亀山観光の中心なんだから、しっかりしてもらわないと困る。応援しているから!!」というエール。

そう地元の為にも、亀山温泉ホテルはしっかりしていかなければならないんだ。


そう思えるころに ちょうど戻ってきて5年が経過していた。
四苦八苦して、悔しさの中で過ごしてきた5年間だったように思える。


そして若旦那自身が次のステージに進むときが、沢山の出会いの中で生まれていった・・・。


次回に続く・・・


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