私のセンス・オブ・ワンダー
さて、皆様は「センス・オブ・ワンダー」という言葉をご存知ですか?
これは子供の環境教育や、自然体験学習の世界(林間学校、臨海学校なども)の指導者の中では、とても有名な言葉で「自然を不思議がる力、世界の変化に好奇心を持つ力」のことです。
米国の海洋生物学者・作家レイチェル・カーソンによるエッセイ集で知られることになった言葉で、自然体験を仕事にする人達の合言葉のようなものです。
例えばですが「月が満ちてきて、欠けていく」そんな身近なところからでも「何で月は満ち欠けするんだろう??」と疑問を持って調べてみたり、または興味を持って月を眺める楽しさを知る、などがセンス・オブ・ワンダーと言えるでしょう。
子供たちに向けての自然体験の指導者は、この「センス・オブ・ワンダー」を引き出すことが大きな、大きな役割とも言えます。

さて、前置きが長くなりましたが、今日は、そんな私自身の「センス・オブ・ワンダー」体験をご紹介します。
この植物「セイタカアワダチソウ」は皆様もご存知ですよね?外来種ですが、道端や川の土手、公園など日本ならどこでも見かける植物です。
地下茎同士が繋がり群落(ぐんらく)を作り、集団で生えていることが特徴です。

子供の頃の私は、このセイタカアワダチソウをギュッと握って、葉を全部そぎ落としてしまえば棒になるため、よくこの棒を作って遊んでいました。
私は幼少期の記憶が、随分と残っているタイプのようで、よく昔の話をして驚かれます。きっと、この「センス・オブ・ワンダー」が引き出された瞬間の記憶が、強く残っているのだと思います。

私が小1の時でした、近くの駐輪場にフェンスがあり、その向こうに立派なセイタカアワダチソウがありました。
本来は群落をつくる植物ですが、そのセイタカアワダチソウは一本だったと記憶しています。
「これは立派な棒が作れる!!」と思った私は、そのセイタカアワダチソウを欲しがるのですが、フェンス越しで、どうしてもゲットできません。
当時の私には、その駐車場の向こうまで回って、正面の入り口から入る方法が分かっていませんでした。

私にとって、セイタカアワダチソウは遊びの為の「棒」以外の何でもなかったのですが、取れないため、そのセイタカアワダチソウは、取れない、取れないと思っているあいだに、グングンと育ち、2メートルくらいになりました。
生まれて初めて、植物の「成長」そして他の生き物の「生きている不思議」を感じた時です。
もう、私が見上げる位になって、棒として取ってしまうのは、何か怖い感じがしました、大きすぎて圧倒されますし、不気味さまで感じていました。
私も小1で体も小さく、見上げるとこんな感じだった記憶があります。

そして季節は流れ、秋が過ぎ、冬になりました。
そのセイタカアワダチソウは、すっかり立ち枯れしています。

生きているのやら、死んでいるのやら?何かとても不思議です。
千と千尋の神隠しの歌で「生きている不思議、死んでゆく不思議」という歌詞がありましたが、まさにそんな感じです。
あんなに勢いがあったセイタカアワダチソウが、そのままの形で枯れています(後で知りましたが、セイタカアワダチソウは立ち枯れする植物です)

そして、3月の春休み、まだありました!!いったい、いつまであるの!!?
道端や田んぼなど、草刈りされたり、川の土手のように枯れ草になって倒れていく環境ではないため、このセイタカアワダチソウはずっとありました(その時は、その理由が分からず、ただ生命の不思議を感じています)

この時に、初めて生き物が成長していき、死んでいく全ての過程を感じる事が出来たのだと思います。
そして、引っ越しの関係で小学校を転校し、2年生からは別の小学校になりました。
転校してからも、しばらく、このセイタカアワダチソウの事は気になり続け「まだ、あの場所にあるのかな。。?」と、時折、思い出したことを覚えています。
今振り返ってみると、あの一本のセイタカアワダチソウが、私の「センス・オブ・ワンダー」の原点だったのだと思います。
取れなかったからこそ、結果として見続けることになりました。見続けたからこそ、成長し、枯れ、それでも同じ場所に立ち続ける姿に、興味を持ちました。
誰かに教えられたわけでも、図鑑で調べたわけでもありません。ただ「不思議だな」「なんでだろう」と感じ続けただけです。
子供にとって本当に大切なのは、知識よりも、正解よりも、こうした「感じ続ける時間」なのかもしれません。
最近は、子供が自ら感じ取る前に、大人たちが正解を与えてしまい、そしてこれからはAIが正解を与える社会になっていく気がしてなりません。
私は自然体験型リトリートを通して、子供たちが自ら感じる時間を、少しでもお届けしようと思っています。

ちなみにワタクシは、大人になっても「センス・オブ・ワンダー」を持ち続けています(笑)
最近は保育園留学も人気ですので、お子さまの「センス・オブ・ワンダー」を引き出すために、ぜひ自然の中での原体験を得る機会を、作ってあげてくださいね。
奥房総の地で、お待ちしています。
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【追記】自分のリトリート実践例です。
【リトリート番外編】
【リトリート休養術】
【私の夢】



