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鳥がいない時期のバードウォッチング

この時期(11月)は、1年の中で最も鳥がいない時期です。

理由は夏鳥(ツバメ、ホトトギスなど)は、繁殖を終えて南(タイやベトナム、マレーシアなど)に戻ってしまっていますし。

冬鳥(マガモ、ツグミなど)は、まだシベリアなどユーラシア大陸にして、日本に渡って来ていません。

つまり「渡り鳥」の入れ替わりの時期です。

じゃあ、今いる鳥はどんな鳥?と言いますと留鳥(りゅうちょう)と呼ばれる、日本にずっと住んでいる鳥です。

つまりは、よく見る鳥!!(笑)

スズメとかハトとか、カラスとか、どこにでもいてバードウォッチングするまでもない、あの“常連組”です (笑)

この一番、鳥がいない時期に、チャレンジャーからのバードウォッチングのご予約が入ったのです。

たまに、この仕事をしていると「チャレンジャー」からの体験相談が入ります。

以前に「山菜摘みは3月から可能です」とブログに書いた事があるのですが、男性2名のチャレンジャーが2月にご来館されて「豊島さんが、山菜摘みは3月からとブログに書いていたので、2月にやってきました!」と挑戦状を突きつけられたことがあります(笑)

恐らく、休みが合う日が2月しか無かったのでしょう、みんなで冬枯れの畑で、夢中になって早めに出ている山菜があるかを探したのは、私にとっても忘れられない体験です。

その時のチャレンジャーも「夢中になって山菜を探して、その時は仕事の悩みなど、何もかも忘れていられました」と感想を話されていました。

この時は、私が日本三大民間薬の一つ「ゲンノショウコ」を発見して面目躍如です。

でも、彼らも改めて観察してみると可愛いものです。

ヒヨドリは柿を突っつき、クロガネモチなどの赤い木の実を丸飲みしています。

このヒヨドリ、日本では当たり前に見かける鳥ですが、アジアにしか見られない鳥で、欧米からの旅行者には大変珍しく見えるようです。

年間を通して見られ、果実を食べては糞として運ぶ、自然界の植林担当。

ヒヨドリは種を運んでくれる大切な役割を持っていることが分かります。

そして、この“黒い鳥”も!!(笑)

頭が良いので、街に出ると生ごみを漁ったり大変ですが、カラスは「ハゼの実」をブドウ狩りでもするかのように、大きな口を活かして丸ごと持って行きました!!

ハトはハトで、道路を突っついているので「何を食べているんだろう、、?」と思って、ハトがいなくなってから見てみると。。

何と、車に踏みつぶされた、アカガシの「どんぐり」の中身を食べていました!!

頭いい!!カラスはよくクルミを車に轢かせて中身を食べるなんて聞きますが、ハトはあえて置いた訳ではないですが、自然に車に轢かれて殻が壊れた、どんぐりの中身を食べていたようです。

こうして、じっくり観察してみると、どこにでもいる鳥にも、ちゃんと生きる知恵があって逞しく彼らは生きています。

森に彼らの食料が無くなり、熊が街に出てきてしまうほど山の生態系が乱れている今、なぜ森がここまで荒れてしまったのか?

もしかすると、身近な鳥たちが、そのヒントを教えてくれているのかもしれません。

※バードウォッチングをしていると、時に釣り糸が絡まって死んでいる野鳥を見かける事があります。大変苦しい死に方をしたのだと思い、大変心が痛みます。釣りの方は絶対に釣り糸を捨てないようにしてください。また、放置された釣り糸を見かけた方は、野鳥の為にも拾って頂けたらと思います。